投稿日:2020/05/17
こんばんは!
今回は前置き無しに生い立ちの続きを書きます! (`・ω・´)
どこまで書いたか、、、?
そうです、昔は今とは違って大工小屋で1棟1棟、手で刻んでいたというところまで書きました。(もちろん今でもこだわって手刻みしている工務店もありますよ)
子方は大工小屋で加工の仕方や墨付けを覚えて行くんです。
プレカットが主流になってからはほとんど使いませんが昔は、2階の屋根を支える小屋梁は【ごろんぼ】(太鼓梁や丸太梁と言って地松や米松の丸太の横面だけ製材でまっすぐ割った材)を使いました。
建て方が終わって天梁が掛かっている家を見上げると迫力があり美しくとても好きでした💛
でっかい敷棟がズドーンといって、そこに小屋梁が大持ち継ぎで両側から掛かってたり、曲がった地松が十字に掛かってたり、、、何言ってるか分からないですよねぇ💦
ちなみにこれは自宅のズドーンとではない可愛らしい天梁。
大工小屋には、まずそのごろんぼが何本も入ってきて、その皮むきから始まります。
自分の時代は皮むき機という機械があってそれを使っていました。それでも何本も皮むきしていると腕がしびれて腰が病んできます。
昔はもちろんそんな機械もなく手斧(ちょうな、チョンナともいう)や斧で皮むきしていたそうですね。リスペクトです!その時代に大工になってたらすぐに逃げだしてたかも(;´・ω・)
土台や柱も手押し(曲がりをとり直角を出す機械)や自動(厚みを通す機械)を使って1本1本仕上げ墨付けする準備をしていきます。
そうこうしているうちに親方の墨付けが進んでいて子方は刻みに掛かり、天梁・梁・桁・母屋・束・柱・屋根垂木・火打ち梁・土台・大引きなどを加工していき、全ての加工が終わると建てるの繰り返しです。
今は冬でも関係なく建て方しますが昔は雪が多かった事もあり、冬の間に2棟3棟加工しておいて春に一斉に建てたりもしてました。
何年か大工小屋では刻んでばかりでしたが、少しずつ親方と一緒に墨付けをさせてもらい憶えていきました。
ある日の事、社長に図面を渡され「これ墨付けせえや、できるやろ」と言われました!
もちろん「はい!ありがとうございます!」ですよねー
そんなに大きくはない増築工事の図面でしたが嬉しかったですね!
喜んで何本か梁や桁の墨付けをして次の日の朝、大工小屋に行くと社長が立っていて
「こんなんだっちゃん!(ダメだ)」
「木材の使い方わかっとらん!」
「全部消せや!」と、、、
ショックでしたね、、、。
長さや仕口の事ばかり考えて、木材の向き(上・下・表・裏)を考えずに墨付けしていたんです。
木材は反りや木目を見て使うもの、例えば、外周の梁や桁は木表面を外に向け内側に反るように使いますし、柱は生えていた通りに立てます。
基本の基本ができてなかったんですね、、。
泣く泣く電気カンナや手鉋で全部消しました😢
せっかくチャンスを頂いて活かせませんでした。情けなかったですね😢😢
その物件は結局親方が墨付けすることになりました。。。
それからは土台だけ、柱だけ、二階腰だけ、小屋組みだけと少しずつ親方と一緒に墨付けさせてもらい後に何とか一棟任されるようになりました。
昔の大工さんなら当たり前の修行時代、昔話を聞くと自分の経験など全然アマいですが、そういう経験をさせてもらったことは幸せなことですし、リフォームをする際には欠かせないスキルです。そういう事を学ばせて頂いた工務店には感謝です!
と言う事で今回はこれくらいにしておこうと思います。
今回もお読みいただきありがとうございました!
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